これはKobe University Advent Calendar 2016の20日目の記事です。


はじめに

弊学科の授業ではOSXを使用しますが、Windowsユーザーの方たちの中にはUnix系OSを使って家で復習や宿題をするために、CygwinとかよくわからんしLinuxでもインストールしてみようかな、となった方もいるかと思います。
そこでディストリビューションを選ぶことになるのですが、初心者へのおすすめとしてはUbuntuがよく挙げられます。
Ubuntuは誰でも何の苦労なくすぐに使い始められることが魅力です。
しかし、Ubuntuはインストールしてからは複雑で面倒くさいというイメージがあります。

そこで私はArch Linuxをおすすめします。

Arch Linuxとは

Arch Linuxは「シンプルであること・最新であること・実用的であること・ユーザー中心であること・汎用であること」を理念として掲げています。
配布されているイメージは最低限の環境であり、ローリングリリースを採用し、ドキュメント等などが豊富で、ユーザーリポジトリが豊富であることが特徴です。

詳しくはここを参照してください。

ローリングリリースによって常にその時点での最新のバージョンのソフトたちを使うことができます。 新しいということは多分良いことです。
私は初心者なので常に最新であることが開発にどう影響するのかよく知りませんが、分からないうちは新しい分には困ることはないのではないかと思います。
しかし、このローリングリリースは特徴のひとつではありますが、弱点でもあります。 あるライブラリがアップデートされたのに、それに依存するソフトがアップデートに追いついていなくて一時的に使えなくなったりすることがです。 これはそこそこよくあることですが、冷静に対処すれば問題ありません。
これがArch Linuxが不安定であると言われる理由です。

そして、インストールが少し難しいという弱点もあります。
すべてのソフトを自分で選択していかなくてはならないので、デスクトップ環境を完成させるまでは少し苦労します。
しかし、その過程で自分の使っている道具をしっかりと把握することができます。
ArchWikiという素晴らしいドキュメントがあるので、ほとんどのことはそれに従いながら作業を進めれば問題ありません。
ArchWikiのすごいところは、Ubuntuを使っているときに設定について調べていくと行き着く先は大抵このサイトであることです。
それほどに様々を網羅したWikiがArch Linuxには存在します。
ならばいっそ、これ使えばいいのでは、と思いArch Linuxを使い始めました。
Ubuntuではいまいちよく理解できてなかった私も、Arch Linuxは使っているうちに理解できるようになりました。
私がArch Linuxを使い続ける理由のひとつはこのArchWikiの充実度です。

そんなArch Linuxの簡潔さとUbuntuのインストールしの簡単さを兼ね備えたディストリビューションがあります。

それがAntergosです。

Antergosとは

Antergos.com

Antergos は最高な Linux ディストリビューションである Arch Linux をベースにしており、 モダンでエレガントでパワフルな OS を目指しています。

AntergosはArch LinuxにGUIインストーラを追加したディストロです。
Arch Linuxのひとつの難関であるOSのインストールを簡単にすることで、誰もが最高なArch Linux環境を手にすることができます。 Antergosのメインはインストーラなので、インストールのときにお世話になる以外は素のArch Linuxと変わりません。

デスクトップ環境は
Cinnamon、GNOME、KDE、MATE、Openbox、Xfceの中から選べます。
一度デスクトップ環境が出来てしまえば、別のウィンドウマネージャを入れるのは簡単なので、インストール後にここにあるのとは別のものを選んでみても良いかもしれません。(私はxmonadを気に入って使っています。)

インストール

ダウンロードページからisoをダウンロードします。
2種類ありますが、インストールだけしたいのであればMinimal版、試してみたり、LiveBootに使いたいのであればLive版をダウンロードしてください。 その後、適当にisoをUSBメモリに移し、BIOSの起動順をいじって起動すると以下のように表示され、それに従ってロケール、パーティション、デスクトップ環境、ユーザー等の設定を進めていきます。

img1

img2

img3

Ubuntuなどと変わらないインストールの難易度だと思います。

img4

初めにインストールしておいてくれるパッケージを選択できます。
AURサポート、ブラウザ、ファイアウォールくらいでいいでしょう。必要であれば他のも有効にしてください。

AURとは、ArchUserRepositoryの略で、公式とは別のArch Linuxの非公式ユーザリポジトリで非常に多数のリポジトリが揃っています。

Arch Linuxのパッケージマネージャーはpacmanで、そのラッパーであるyaourtを使うことでAURへアクセスすることができます。

インストールが完了したら次は日本語環境を整えましょう。

yaourt -S fcitx-mozc-ut2 fcitx-gtk2 fcitx-gtk3 fcitx-qt4 fcitx-qt5 fcitx-configtool
#以下を$HOME/.xprofileに書き込む(無ければ作る)
export GTK_IM_MODULE=fcitx
export QT_IM_MODULE=fcitx
export XMODIFIERS=@im=fcitx

fcitx-mozc-ut は PKGBUILD が腐ってることが多いので、fcitx-mozc-ut2をインストールすることをおすすめします。

好きな日本語フォントもインストールしましょう

yaourt -S otf-ipaexfont

個人的にはMigMixが好きです。

必要なパッケージは以下のコマンドですぐにインストールできます。
後はArchWikiを読みながら、あなたの好きなようにカスタマイズしてください。

yaourt -Ss <ワード>                       #パッケージの検索
yaourt -S <パッケージ名>                  #パッケージのインストール
yaourt -Rs <パッケージ名>                 #パッケージの削除
#コマンドの使い方がわからない場合
yaourt -Ql <パッケージ名> | grep /usr/bin #コマンド名の検索
man <コマンド名>                          #コマンドの使い方

まとめ

Arch Linuxは、Linuxをこれから勉強して使いこなしたいと思う私と同じような境遇の方におすすめです。
しかし、インストールは初心者には難しいのでAntergosを使うと良いです。

時折、アップデート後などにデスクトップが上がって来なくなったりするサプライズはありますが、Arch Linux - Newsや、Twitter、slackなどで情報を探せば賢い人たちが解決法を提示してくれています。
自分の力でトラブルに対処する能力は、トラブルが起こった後その解決法を理解したときに養われるんじゃないかなーと思います。
トラブルすら勉強になるとは恐るべしArch Linux。

Arch Linuxをいかに壊さないように運用するかはArchWikiのArch Linuxの安定化という項に丁寧に書かれているのでインストールしている間にでも目を通すと良いでしょう。

でもまあ壊れたら困るような用途には使わないほうが良いかもしれません。 適当なジャンクノートやVMにでもいいのでぜひ入れてみてください。


おわりに

私自身、Linux歴1年ほどの初心者で、Arch Linuxに育ててもらったことから贔屓目に語っているところがあると思います。
しかし、実際に私のようなインストールしてすぐにぶっ壊してUbuntuを挫折した初心者でも、Arch LinuxはWikiとコンフィグの丁寧なコメントですこしは使いこなせるようになりました。

あ、でも英語は読めたほうがいいかも?

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